こんにちは、TYIZです
メーターの修理依頼は相変わらず続いていて
T3TECを始めてからトータル修理台数で411台に達しました。
修理依頼が増発してくると
ホントに様々な事例があって
相変わらず強烈なのは基板からの出火。
上の写真は6月末にホンダディーラーさんからの修理依頼だけど
「煙が出て燃えたみたいなんだけど治せるかな・・」と言う相談。
焼損事例もだいぶ治してきたし
これくらいの焼損ならまだ症状は軽く思えるようになった。
基板の部品を外して清掃して
燃えてしまった基板を固めて
焼けた部品は新品交換して
燃えてしまったプリントパターンも削除して繋ぎ治す。
ケースは真っ黒焦げだから新品交換し
全ての部品を清掃して組み立てて補正を行って完了。
思うんだけど
焼損する事例のメーターは
基板や内部が酷く汚れている固体が多いです。
メーター内部がなぜ汚れるのか?と言うと
おそらくは
運転者の靴に付いた土やホコリが舞い上がって
ペダル真上にあるメーターの中に入り込み
静電気などで基板に吸い寄せられるのかな・・と思ってます。
よほどクリーンな環境でしか乗らないならともかく
普通に自動車として使っていれば
走行距離の増加で汚れは避けられないモノだから
対処法としては
フロアマットはもちろん、出来るだけ車内を掃除する・・か
何年かに一度 メーターを外して分解清掃するのもアリなのか・・
もう一件変わったトラブルで
スピードメーターの動きがおかしいとの修理依頼で
分解してみると 文字盤にテープの跡があるから
かつてELパネルとか貼っていたのかと思われます。
で、パネルを剥がすときにでもアクチュエーターにダメージが入って
針の動きがおかしくなったんでしょう。
これは
アクチュエーター交換した方法がないので
針を抜いて文字盤分解してアクチュエーターを交換
動作確認しつつ針の位置を決めて固定して最終補正を行う。
うちでメーターOHする際には
文字盤は清掃しケース類は水洗い レンズはクリーナーで磨き上げるので
動作の正常化はもちろん 見た目もピカピカにしてお返しします。
なぜか先月は依頼件数が多く
ホンダディーラーさんや中古車屋さんからの依頼で9件
T3ファクトリーで3台と
修理台数は1ヶ月で10台を超えていた。
ほとんどがブレーキ球切れ警告灯が常時点灯してしまう症状で
大多数は基板補修で治ってくれるんだけど
長期間点灯状態で過ごしたためか
警告灯モジュールが破損している事例も増えてきました
修理依頼10台に1台くらい
モジュール交換をしないと治ってくれない固体があって
いままで400台もメーター修理すれば
40個くらいは警告灯モジュールの交換が必要だったわけです。
この掲示板
2016/11/21の投稿で警告灯モジュール基板作成を紹介して
その時 基板は100枚作って
半数部品実装とコーティングを行って50枚完成させたんですが
最近のペースでモジュール交換を伴う修理を行っていると
だんだん手持ちの完成品が減ってきて不安に感じてきたから
残り基板を使って
モジュール基板を追加で40枚完成させて
昨日 コーティング作業を終えたところ。
再度紹介になるけど
NSXのメーターの中央にあるワーニングディスプレイは
半ドアなどと
ブレーキランプの球切れ時に警告灯を点灯させる機能があって
キーをIGにしたとき 数秒間点灯のセルフチェックを行いますが
その点灯条件は
基板に取り付けられた警告灯モジュールが行っています。
この警告灯モジュールは
小さな基板上に電子部品を表面実装して
熱硬化型の樹脂でモールドしたハイブリッドICで
この基板に組まれた電子回路とメイン基板の電解コンデンサーを使って
警告灯が点くタイミングなどを決めています。
球切れ警告灯などのワーニングが消えなくなるトラブルは
コンデンサーの液漏れから基板が腐食して
漏電状態になってしまうのが原因なんですが
かつては修理方法が無かったので
警告灯が点いたまま長期放置したり
警告灯に黒テープを貼るとかで光らないようにしていた車輌も多く
実はずっと電流が流れていたため
モジュール基板が壊れてしまって
これを交換しないと警告灯が消えなくなったり
本当に球切れしていても警告灯が点かなかったり
最悪の場合 タコメーター基板のコンデンサが火を噴いて出火に至ります。
警告灯モジュールはタコメーターの基板に取り付けられているから
当然 メーカーで単品販売は無いわけで
4年前にT3TECオリジナルで作った次第です。
前回の残り基板と電子部品を実装業者さんに送り
部品実装した状態でうちに届くので
これを樹脂コートする。
前回の製作時に
この樹脂コートで非常に悩んで
やっと適正品を探し当てて
コート剤のメーカーに相談した結果
担当さんのご厚意で缶入りのコート剤を1sサンプルでもらい
150度で熱硬化させるため
オーブンを改造したモノで最終処理しました。
なにせ4年経ってるから
コート剤は大丈夫かな・・と
冷蔵庫に保管していたコート剤を開けてかき混ぜてみると
沈殿してるけど変質はしてはいないようだ。
オーブンはその後
津久井さんがピザ焼きに使ってたからなぁ・・
だいぶ老化した感じだけど
温度制御は大丈夫かな・・と
オーブンの中に仕込んだアルミ箱に温度センサー差し込んで
150度設定で様子を見ると
140〜150度で安定してくれるようで一安心。
黒いドロドロのコート剤をMEKで希釈してモジュール基板をディップして
針金で作ったハンガーに吊り下げて
オーブンに入れて150度で30分。
カチカチに固まってハイブリッドICの完成。
今回40個作ったから
いまのペースでメーター修理依頼があったとしても
モジュールの交換需要が爆発しない限り
4〜5年は持つでしょう。
メーター修理も数百台治してきて
さすがにもう、需要は減るだろう・・と思っていたら
ディーラーさんと業者さんからの依頼が増えて
今のところ修理依頼は増加傾向。
410台のうち
ほとんどが初期型NA1だから
生産台数の1割近い数を私が治したのかな・・
それってスゴいことだと思うし
そもそも
そんなにも故障発生率が高いと言うことが大問題だと思うんだよね。
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