2019/2/11 (月) 18:33:34 - TYIZ - Edit by 管理者 - No.1549876365.1
長くなったので
説明文はレスに書きます。
NSXの排気系は
基本となる初期型のE-NA1形状があって
E-NA2がデビューしたときに
エキマニと触媒の形状が大きく変わり
さらに、LEV仕様になったGH-NA2で
また、エキマニと触媒の形状変更がされました。
C30Aを積むAT車は全年式で型式的には全てNA1だけど
エキマニの集合部が鋳造品のまま
触媒は同年代のNA2と同じ物が使われるという
複雑で面倒な組み合わせが多くなっています。
リアエンジンのミッドシップでは
どうしてもエンジンとマフラーが近くなるわけで
さらに横置きエンジンとなると
エンジンは前後に揺動するから
排気管には折れ曲がるポイントが必要な事になり
このために
初期型NA1ではエキマニにジャバラを設けていて
NA2からは球面ジョイントを使った方式に変わりました。
アフター業界で効率の良いエキマニを作ろうと思ったら
どうしても
販売台数が多かった初期型形状を基本にしたいので
T3オリジナルのエキマニも
初期型NA1レイアウト基準に作られています。
NSXに関しては
全年式でエンジン位置とマフラー位置は変わっていないから
後期型に初期型の排気系を組むことは可能。
実際
Type-Sをベースにチューニングしている殆どの方は
初期型NA1用の社外エキマニを使っています。
そこで合法的に行こうとすると問題になるのが触媒。
初期型NA1の純正触媒を使えば
車検では黙認されて通ってしまう可能性が高いけど
厳密には
型式が違う車輌の排気ガス浄化装置だから
指摘されればNGになります。
だけど
NA2に
初期型形状のメタル触媒を取り付けた状態で
排気ガス検査を行って
該当年式の排気ガス浄化基準をクリアすれば
合法的に
排気系全てのレイアウトを初期型形状に出来るわけです。
T3TECで販売開始したメタル触媒は
GTのレースカーで使われる
非常に抜けの良い
極粗メッシュの100セル触媒で
有害ガスの浄化能力よりも排気の抜けの良さを優先したモノ。
アフター業界のメタル触媒で
この触媒セルを使っている事例は無いと思います。
この触媒セルでも
E-NA1では検査基準をクリア出来たので
販売に踏み切ったわけですが
E-NA1は昭和53年度規制でかなり緩いわけで
平成10年度規制のGH-NA2はどうだ・・と
平成11年式GH-NA2のType-Sに
初期型エキマニ&マフラーと100セル触媒を組んで試験場に行き
10&15モード検査にチャレンジ。
結果は
排気ガスの有害成分CO,HC.NOXのうち
COとNOXは通ったんだけど
炭化水素HCの値が
限度値が0.17g/kmのところ検査結果は0.19g/kmで
ギリギリで落ちちゃった。。
ちなみに昭和53年度規制では
限度値が0.39g/kmだから余裕だったんだけど。
だけどこの100セル触媒でGH-NA2がギリギリ通ったところで
より高年式で基準が厳しいLA-NA2やABA-NA2はダメだろうから
一般的な社外メタル触媒に使われる200セルで再試験。
こんどは
HCの値は0.03g/kmで余裕でクリア。
100セルと200セルって
こんなにも浄化能力が違うんだな・・
車検の際に
アイドリングで計測するCOとHCの値は
100セルも200セルもほとんど差は無くて
老化した純正触媒よりも優秀なくらいだけど、
10&15モード検査では
実走行を模して
負荷をかけたローラーの上で走行シミュレーションするので
エンジン回転上昇と共に排気ガス量が増えると
触媒セルを通過する速度が上がるから
浄化能力の差が出てくると言うことでしょうね。
逆に言えば
排気抵抗も目の細かい200セルの方が大きいんだろうけど
これがどの程度エンジン出力に影響するか
T3オリジナルのマフラーが完成した頃に
ダイノパックで計測してみようと思っています。
そんなわけで
E-NA1に関しては
触媒としては最も抵抗が少ないレース用の100セルを使ったけれど
LEV仕様のGH-NA2以降は200セルを使っていくことにします。
これでも
純正の触媒に比べれば格段に抜けは良いだろうし
なにより
GH-NA2に初期型NA1形状の触媒で合法化出来たことで
エキマニ&マフラーの選択肢が広がることになります。
だから、T3オリジナルメタル触媒は
E-NA1、E-NA2は100セル
LEV仕様のGH-NA2以降は200セルで
2種類を設定します。
100セルと200セルの外見からの判別は
LEV仕様は触媒出口にO2センサーが増設されたので
センサーの取付ボスがあるのが200セル仕様ということにします。
さて、引き続き
E-NA2の排気ガス検査を計画していますが
こちらはもちろん100セルで検査に臨みます。
その後の年式では
LEV仕様のLA-NA2とABA-NA2があるんだけど
こちらは
200セルでチャレンジを計画していきますが
まだ先になりそうです。
だけどね
NA2にNA1形状のメタル触媒を作って合法化させるなんてのは
業界では誰もチャレンジしていない初の試みだと思うし
全年式のNSXにNA1形状のメタル触媒を使いたいという
遠大な計画は
着実に進行しています。
GH-NA2に初期型形状の排気系を
合法的に組み合わせ出来るようになったのは
私的には「とうとうやった。快挙だぜ・・」
と言う感じなんですよね。
今回
排気ガス規制と触媒の有効性などに関して
色々勉強出来たので
あらためて
そんな話しも紹介したいと思っています。
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