こんにちは、TYIZです
T3ファクトリーは相変わらずの状況で
日々NSXの色々な作業を行っていますが
トラブル事例もその対処作業もだいぶ定番化してきて
通常修理関係に関しては
受け入れ納車がスムーズに進んでいるんだけど
エンジントラブルなどの重症患者が増えて来て
これはどうしても長期戦。
エンジン内部に重大なトラブルが起きている車輌は
走れなくなっちゃっているから
そのまま入院&修理待ちにまるから
おかげでどうしても
エンジン降ろしメンテナンスの進行が遅れてます。
月に1台くらいは
通常エンジン降ろしメンテナンス作業もこなしていきたいんですけど。
エンジン降ろしメンテナンスは
基本的な整備内容は決定しているんだけど
お客さんの希望で色々追加作業を行うことはもちろん可能で
最近の事例では
細かいボルト類や配線のステー、ホースバンドなどを
可能な限り新品交換する大幅なクリーンアップ作業を希望する方が多いです。
エンジンルームの中で
実は、ネジやステーのサビというのは大いに美観を損ねている物で
分解清掃ついでに
それらを出来るだけ新品交換する。
もちろん
ネジ1本まで純正部品を揃えて組み立てていく。
上の写真
走行距離10万キロの初期型NA1だけど
ヘッドカバーも後期新品を使ってブローバイ配管も後期仕様にして
見た目は出来る限り新車状態に近づけました。
このNSXはシリンダーヘッドのOHまで含めた大整備だったから
一連の作業を終えて
車検のため陸自に出向いたら
検査官が「走行10万キロ超え? スゲェキレイだな・・」と驚いていた。
ちなみに
このNSXではS2000インジェクターキットを組みましたが
このキットを組んでも
外見からは全く分からないので
メカニック大久保が
「なにかエンブレム付けましょうよ!」というので
銘板を作ってインジェクターカバーの所にネジ止めで付けました。
このインジェクターキットはすでに11台ほど組んだんですが
おもにエコ方向で効果は大きい様で
発進から中低速回転域のトルクアップ
燃費の向上
そして 排気ガス濃度の低下。
TYIZ号では低速側までハイカム化してあるから
車検の際に
排気ガス検査で一酸化炭素が2.5%くらいだったのが0.05%まで落ちて
燃料の霧が細かいインジェクターの効果に驚いんですが
戸田レーシング製ハイカム仕様の
まーぶる号に組んだところ
やはり排気ガス濃度は劇的に下がりました。
これが
高性能インジェクターの効果なのか
単に、純正が経年老化で噴射量のズレが生じているのか分からないけど
実はノーマルのNSXでも
排気ガス濃度の差というのは大きくて
走行距離が多い車輌ほど排気ガス濃度は悪化する傾向だから
実はインジェクターの老化というのは予想以上に深刻なのかも知れない。
激レアのNA2アキュラが作業で入庫
NA2のアキュラはただでさえ珍しいんだけど
このNSXは
日本国内で言うType-Sに相当するタイプだそうで
シートだけはクーペと同じだけど
それ以外はほぼType-S仕様
それをこのオーナーさんはSゼロのシートに交換してました。
このオーナーさんは
アメリカに在住中に新車で購入し
帰国する際に個人輸入したそうで
このグレードは日本国内に1台だそうです。
こうした輸出仕様をじっくり見ると
国内仕様との不思議な差が多くておもしろい。
国内仕様では使ってないネジ穴に部品が付いていたり
おそらくはLEV仕様相当だけど
排気ポートへのエアポンプが無かったり。
今回の作業はルーフなどの内装を後期型の黒に交換。
初期型はグレーの合皮だけど後期は黒の生地になっていて
反射も少なく車内が落ち着いて見えるから
内装を後期型にする人は多いんです。
まあ、安くは無い部品ですけどねぇ。。
メーター修理180台目
メーターの修理依頼は途絶えること無く続いていて
ピーク時には月に10台を超える依頼があったけど
最近は月に10台弱のペース。
車輌ごと入庫しての修理依頼もあるけど
メーターを外して単体で修理依頼で送ってくるパターンが多く
2015年にT3ファクトリーを開業し
5月にヒリャーデ号のメーターを修理したのが第一号で
いま預かってるのは何台目かな・・と過去の記録を数えてみたら
DeaDeeさんから修理依頼で届いた分が
ちょうど180台目でした。
スゲぇなぁ・・
我ながら
よくもまぁこんなにたくさん修理したよ・・
修理依頼で多いのは
やっぱり、ブレーキ球切れ警告灯が消えなくなる症状で
これは、湿度が高くなるこの季節になると発生頻度が上がってきます。
原因は
コンデンサーの液漏れがきっかけで
基盤の腐食が進行していくことなんだけど
湿度との関係が深く
腐食とホコリと湿度が重なったこの季節になると
ショート状態になって警告灯が消えなくなったりするんです
それと
速度エラーが大きいという症状も増えて来ました。
スピードメーターの針が示す速度が
実速度より著しく低くなるという症状で
先日預かったメーターは
180キロ信号を入れて針が示すのは112キロ。
これはかなり極端な例だけど
気温が低いときには速度誤差が大きて
車内温度が上がると誤差が減ってくる・・というのが初期症状です。
球切れ警告灯の常時点灯は
長期間放置すると発火してメーターが大惨事になる可能性が高いけど
速度エラーのトラブルでは発火は無いみたいです。
でも、車検通らないけど・・
どの症状も修理方法は確立したので
メーターの修理依頼で預かった場合には
事例が多い部分に関して予防修理を行って
タコ、スピード、電圧計の3メーターは適正値に補正を行って組み立てます。
このペースだと
秋頃には修理台数200台に到着するかも知れないなぁ。。
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