こんにちは、TYIZです
ATオーバーホールの2台目を行いました。
ATの分解整備は
今後 確実に増えていくと思うんですが
ATの分解整備はなにしろ作業が大変で
構成部品も多いけど、最大の敵はその重量。
昨年
これを出来るだけ楽に確実に行える様
治具を作ったんですが
道具もちょっと進化させました。
今回の車輌も
ATが滑ってしまって入庫してきたんですが
現車のATを分解整備するより
あらかじめ中古のATを整備しておいて載せ替える
リビルト換装方式で行ってみました。
ATが滑るけど、とりあえず走行は可能なレベルだったから
この方法だと車輌が不動にならずに済むし
もし、あらかじめATを組んでおくことが出来れば
換装の作業自体は日帰りで出来るレベルだから
預かり期間を短縮できるはずなんですよね。
実際は
今のT3ファクトリーの状況だと
あらかじめATを組んでリビルトを作っている時間的余裕が無いんだけど・・
まあ、先々の予行練習も兼ねて
リビルト方式で作業を進める。
ATの分解整備に関しては何度か行っているし
作業用の治具も色々作ったから
今回は
手順書を作りたくて
写真を撮りながら作業。
なにしろ
ホンダの整備書だけではATの作業は非常にやりにくいから
カラー写真で作業ポイントを記入した要領書を作りたいんです。
今回
トルクコンバーターに関して整備の手を入れるか考えてみたんですが
簡単に言うとATのトルコンとは
内部に羽根車が向かい合わせに仕込まれていて
この間がATFで満たされていて
片方の羽根車をエンジンで回すと
ATに流れが発生してその力でもう一つの羽根車を回す。
流体継ぎ手と言われるクラッチなんですね。
羽根車で流体伝達ではずっと半クラッチ状態だから
一定条件で羽根車同士が繋がる
ロックアップクラッチというのが仕込まれていて
厳密に言うと
このクラッチは消耗していくわけです。
でも、MTの様に発進で半クラッチを使うわけでは無くて
アクセル一定で負荷が減った時などにロックアップして
トルコンの滑りを無くして燃費向上などを得るもので
ロックアップが滑ったという話しはまず聞かないんですよね。
でも、世の中には
トルコンを分解整備してくれるリビルト業者さんというのがあって
どうやるのかな・・と訊いてみたら
溶接構造のトルコンを旋盤で切断して分解し
内部部品を洗浄し
ロックアップクラッチは摩擦面のフェーシングを貼り替えて
再び溶接組み立てして気密をチェックして完成させるそうです。
そりゃまたスゴイ技術だと思うけど
ホントにトルコンの分解整備って必要なのかな・・と
更に調べてみると
どうやら
ATが完全に壊れて金属片が多量にトルコンに入った場合や
水や異物などを混入してしまっている場合に
分解整備で除去するのが有効みたいです。
でもねぇ
NSXに限って言えば
20万キロ超えたってトルコンが不調になった事例を見た事が無いし
そもそも溶接構造のトルコンを切断して
純正と全く同じレベルに位置精度と回転バランスを戻せるのかな・・
とも思うんですよね。
(大丈夫だからリビルトするんでしょうけどねぇ・・)
実際損傷が起きていて
新品部品が手に入らないなら
何とかしてでも修理して再生する必要があるけど
NSXのトルクコンバーターは現在価格は\148600
意外だけど
MTのクラッチAssy(\149200)より安いんですよね。
今回のNSXでは
特にトルコンに問題は無かったので再使用しちゃいましたが
距離を乗って
ATの分解整備をするなら
トルコンは新品組むのもアリかと思います。
たぶん、効果は体感できないかと思うけど
拘ってみても良いかと思いますね。
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