実は大問題で
NSXのヒーターユニットが絶版になって供給無くなりました。
毎年
春先から徐々に依頼が増えてくるエアコンの修理ですが
まず、コンプレッサーを交換して
さらに
フロントコンデンサーからガス漏れが生じている場合は
コンデンサーと配管の交換。
ここまでは年に10台以上行う定番作業で
そして
室内のエバポレーターからガス漏れが生じている場合
ヒーターユニットのAssy交換を推奨していました。
ヒーターユニットを分解してエバポレーターだけ交換しても良いんだけど
内部に仕込まれているシャッターなどのスポンジがボロボロで
分解したら
スポンジが粉々になってしまうんです。
だからヒーターユニットAssyは
今年の修理に使う分として
昨年から8個ほどオーダーを入れてあったんですが
全然入荷してこないので問い合わせてみると
再製作不可能で絶版になった・・とのこと。
昨年 次ロットの生産個数と入荷時期も出ていたのに
何か理由があって急遽絶版になったらしい。
冗談じゃ無いよ・・
すでに作業依頼が入ってるんだし・・
注文入れた分だけでも作ってくれよ。。
と言ったところで出来るはずは無く
こうなると
老化したヒーターユニットを再生する必要が出てきたわけで
春頃から模索していました。
ヒーターユニットの分解整備は
手順としては
まず、ケースに取り付けてあるシャッターなどの駆動モーターを外し
ケース外部のスポンジ類を全て除去して分解し
シャッター、エバポレーター、ヒーターコアなどを取り出して
ケースは中性洗剤で洗浄し
シャッターのスポンジを全て除去しスポンジを貼り替えて
エバポレーター、ヒーターコア、各モーターなどは新品交換しつつ組み立てていく。
これらを交換すれば
ほぼ新品性能になるでしょうから。
一連の作業の中で
洗浄清掃と スポンジの除去と貼り替えがとにかく面倒くさい。
だからまず
貼り替えるスポンジを型抜きで製作しました。
作ったスポンジは
EPDMという耐候性が非常に高い材質で作ったスポンジで
耐熱耐水も優秀な素材を選びました。
これなら
純正みたいに加水分解でボロボロに崩れてしまう心配も無いでしょう。
NSXのヒーターユニットは
初期型のR12ガスの初期 134aになった中期
ヒーターコアがアルミになった最終の3世代あるんですが
ヒーターコアは初期中期に使われた真鍮製は完全絶版で
アルミ製の最終型しか手に入らず
初期型のヒーターユニットケースに
最終型のヒーターコアは無加工では組めないので
この辺も加工しながら組み立てていく。
ケース外部のスポンジを貼り込んで
シャッターのリンケージと駆動モーターを取り付けてほぼ完成。
これ、やってみるとけっこう大変で
半日じゃあ終わらない。
だけど新品が絶版してしまったんだから
とりあえず
修理方法が確立できたのが幸と言うことになりました。
あとは
熟練度を上げて適切な道具でも揃えて
出来るだけ迅速に修理作業が出来る様にしていければな・・
と言うところですが
この夏にすでに数台
ヒーターユニット交換の修理依頼を受けているので
なんとか対応が間に合ったな・・と言う感じです。
それにしても急な絶版宣言には参りました。。
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