先日
亡くなった旧友の姉貴の娘さんから
引越の手伝いの相談があった。
この娘が幼少の頃
奴が「姪が可愛いんだ」と言っていた姉貴の娘さんも子持ちの母
春にイチゴ狩りに連れて行った
しーちゃんのお母さんというわけだ。
まあ、引っ越しの手伝いも
墓参りの時 ヤツの墓前にいい土産話になるかな。
くらいのつもりで
話を聞くと
テレビと洗濯機と冷蔵庫が重いんです・・
と言うけど
それって 順番的に軽い順じゃん・・
冷蔵庫って
どの位の大きさなの?と、訊いてみれば
「実家のよりちょっと大きいんだけど・・」
ナニぃ?そりゃけっこう重いんじゃないの??
俺と2人で運べるレベルなのかよ・・
と、いうわけで
現在のアパートを見に行ったら
俺の背より高い大きな冷蔵庫で
スペックを調べると
床面が60センチ角で高さが1.8メートルで重量が87キロ!
こんなの
絶対2人で運ぶのは無理でしょう!
で、これをどこへ運び込みたいんだって?
と、新居のアパートへ行ってみれば
これがまあ
玄関のドアを開けると
80センチ角の靴脱ぎ場で15センチ上がって80センチ幅のまま右に曲がり
すぐ左に曲がってもう一度右に曲がる・・と、リビング。
この、80センチ幅の直角3回シケインに
60センチ角の冷蔵庫を通せと言うのか!?
物理的には壁と20センチ程度の隙間が生じるんだけど
それじゃあ狭くて手を入れて持ち上げることが出来ない。
おまけに高さは身の丈より高く 重量も80キロ以上。。
まあ キッチンのスペースに入ってしまえば
大きな冷蔵庫も余裕なんだけど・・
玄関からの
絶望的なスペースの狭さをくぐらないとキッチンへ向かえない・・
こりゃ
俺と娘さんじゃあ重量負けして絶対事故が起きる!と思って
当日は応援にメカニック大久保と石崎を呼ぶことにした。
仕事が終わったあと 二人にKSPのハイエースで現地に来てもらい
冷蔵庫を見た2人は唖然 そりゃまあ、笑うしかないよな。
事前に
少しでも軽くするため
引き出しやらを出来るだけ外して軽量化
たぶん75キロくらいになったかな・・
で、俺と3人で旧居から力業で冷蔵庫を引きずり出して
ハイエースに積み込んで
新居へ移動。
アパートは2階なので
まずはそびえ立つ階段を見上げつつ 3人パワーで持ち上げる!
問題の玄関に冷蔵庫を入れてみると
冷蔵庫の取っ手がドアに干渉して入らない・・
ええい!玄関のドアを外そう!と蝶番を外してドアを外す。
あらかじめ
壁には段ボールを貼って養生しておいたけど
背丈より高い重量級の冷蔵庫を狭い場所で上げ下げするのはホントに大変。
何とか玄関の靴脱ぎ場に入れて
あらかじめ
冷蔵庫の足に結んでおいたロープを引っ張って持ち上げて床へ上げる
敷いておいた毛布の上に冷蔵庫を載せて 滑らせつつシケインを曲がる。
いやはや
これほど苦労するとは・・
なんとか冷蔵庫を搬入したあと
洗濯機とテレビなんて軽いもんだ。
大物3点の搬入を終えて
ご苦労!と、二人には帰ってもらって
その後も
段ボール詰めした荷物をVOXYで何往復もして運び出す。
一段落したのは
午前1時頃だった・・
これじゃあ 引っ越しじゃなくて夜逃げだよなぁ・・という感じだ。
0時半頃までは
しーちゃんも俺につきまとって一緒に荷物を運んでいたんだけど
さすがに「もお、眠いよ・・」とおとなしくなった。
そりゃそうだろうなぁ・・
後日
旧居を片付けていたら
実家から持ってきた旧友の工具箱というのがあって
今回は処分するとのことだったから
これは俺が引き取ることにした。
サンダーやリューターなどの電動工具と一般的な工具類・・
その中に
キセルが一本。
これ、ヤツの親父さんのキセルだな・・
どう言う経緯でヤツの工具箱に入っていたのかは分からないけど
高校の頃
ヤツの家に遊びに行った時
火鉢の近くにキセルが数本あったのを思いだした。
親父さん
古風な物が好きだったからなぁ。
こんなものが・・と
工具箱から出しておいて
こんど墓参りに行く時に墓前に届けてやろうかと思った。
あるいは
姉貴の家の仏壇が良いのか。
その後
墓参りに行く機会はあったんだけど
墓石の前にキセルを置くのも変だから
やっぱり俺の手元に置いたまま。
親父さんが亡くなって23年
ヤツが逝って4年
住んでいた家を売却して半年
未だにこうして遺物は発見されるんだな。
それが巡り巡って俺の手元に来るんだから
縁は分からないものだな。
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