パワーチェック! U12


シャーシダイナモで測定したU12のデータです

グラフのラインに関して
レッドは計測馬力 車輌のタイヤがローラーを回した出力
ブルーは損失馬力 タイヤの摩擦 ミッションの駆動ロス等のマイナス方向の出力
グリーンが修正馬力 計測馬力と損失馬力をプラスした エンジンが出力した馬力。
ライトブルーはエンジンの発生したトルクカーブ
ブラックはターボが過給しているブーストライン

’00.6.10 かねてから計画のあった ぶるぶる号のGT2530仕様が完成しました。
結果は約300PS エンジンは全くのノーマルで走行18万キロ  かなりの快挙です。
パワー及びトルクカーブに谷が生じたのは 損失馬力が揺れたためで実際のエンジン出力は
レッドラインの様にきれいなカーブを描いています
この現象は減速中の4WDシステムによるものと思われます ただし必ず出る症状ではありません
あらためて測定する機会があったら このグラフは差し替えます。
このグラフには記載されていませんが
ブースト1.09  297.2ps/6184rpm  39.5sm/4541rpm でした

今回のGT2530仕様の前 S14タービンだった同車輌とS15タービンのトラッキー号
及びノーマルタービンブーストアップゆうき号の修正馬力の比較
ブーストに差があるため 同一条件ではありませんが
さすがにピークパワーで20PS以上違うとあきらかにラインは上を描きます。
純正タービンに対してGT2530は 排気側タービンが効率よくなっており、
高速域及び高ブーストに強い設定になっているため、過給に対して素直にパワーアップしてきます。
反面 3500rpm近辺からの立ち上がり方は S14及びS15の純正タービンの方が早くなります。
これが純正とチューニング用タービンとの差であり、
タービンサイズが大きくなると 当然この差はもっと顕著になります。
ただし、HNU12純正タービンに対しては GT2530の方がまだ低回転域からの立ち上がりでは上を行きます。



これが現在2番手をマークしているS15タービン仕様トラッキー号のグラフです
ブースト0.9  274ps/5947rpm  35sm/4717rpm でした
トルクカーブは 純正らしい安定したラインです
ブーストラインはEVC制御のためほぼピッタリ0.9で安定しています。



そして、過去測定したHNU12で補正後の最高出力を比較してみたのがこのグラフです
赤が 旧たった号  マフラーすらノーマルのホントのノーマル車輌 リミッター解除のみ 205PS/5837rpm
緑が ゆうき号    CP現あわせのブーストアップ車輌  ブースト0.9             241PS/5637rpm
青が ぶるぶる号  S14タービンZ32エアフロ 現合CP φ76.3マフラー ブースト1.0 261PS/6228rpm
紫が トラッキー号  S15タービン ノーマルエアフロ ハリケーンマフラー ブースト0.9 274PS/5947rpm

フルノーマルのたった号が善戦していて、カタログ値の205PSをマークしています
ノーマルタービンブーストアップのゆうき号がノーマルプラス35PSで241PSですが、
これはピーク時の値であり、それよりも
グラフからわかるように5500rpm近辺はもっと大きな差がでています これがブーストアップの効果です。
ぶるぶる号はS14タービンのブースト1.0 ブーストによるトルクがあるため中間域は一番パワーがあります。
そしてトラッキー号 S15タービン ブースト0.9 中間域ではブーストの差があるためぶるぶる号より
低いのですが、
5000rpmあたりからグラフが交差してピークでは13PSほど高くなります。
同一条件の日ではないため断定できませんが
排気ハウジングの抜けの良さから来る高回転域の良さではないかと思われます。



トルクの比較をしたのがこのグラフです
瞬間ブーストが 0.8かかった たった号がノーマルタービンで     26.2sm/4387rpm
ブーストを0.9に設定して 吸排気系をチューンしたゆうき号が     33.3sm/4365rpm
S14タービンでブースト1.0のぶるぶる号が                 35.8sm/4304rpm
S15タービンでブースト0.9のトラッキー号が                 35sm/4717rpm

となっており、
おもしろい傾向が見えてきます。
最大ブーストでは0.1しか違わないたった号とゆうき号で
トルクカーブに大きな差ができました
これは マフラーの効果と、ハイオク限定で煮詰めた現車あわせCPの差(特に点火時期)
だと思われます。
そして、ブーストの一番高いぶるぶる号がやはり一番高いトルク値をマークしています
そして、グラフのラインはノーマルをそのまま上に上げたようなグラフです。
興味深いのはトラッキー号のS15タービン ブースト0.9
中間域ではぶるぶる号より低い値ですが、
パワーカーブと同じく 5000rpmあたりを境にしてグラフが交差します。
そして最大トルクの発生回転数はS14より400rpmも高くなっています。
通常、最大トルクはブーストに比例するため
やはりS15タービンの方が高回転に強いことがうかがえます。
そして、S15タービンでブースト1.0かけた場合 中間域においても
14タービンを上回る事は容易に想像できそうです。
そして、
一般的にタービン交換してパワーアップを狙うと
低速域のフィーリングが悪化する事が知られていますが、
HNU12に関しては、ノーマルタービンに対して
S14&S15タービン仕様ならば 全域においてノーマルよりもトルクフルになることがグラフからうかがえます。