NSXのステアリング交換は 通常の車輌に対して大きな問題があります
それは、市販のステアリングボスがあまりにも高価であること。
そこで、NSX Type-RやType-SのHONDA純正部品を流用するのが安価で確実な方法なんですが、
このボスは メーカーで厳重管理部品になっているらしく、
対象車輌の車検証が無いと購入できないことになっています。
しかし、実際に使っているユーザーは多く、
今回私はType-Sに乗るお客さんに頼んで車検証を借りて購入しました。
市販品は4万円近辺ですが 純正は1万円くらいです
その上 純正ボスは衝撃吸収構造になっていて、
万が一の時にドライバーへの衝撃を緩和してくれるようです さすが純正!
追加工した形跡がありますが
製造メーカーはMOMOのようです
従って 無加工ではパーソナルやナルディのステアリングは取り付け不可能です。
今回はMOMOーRACEを使いました。
まずはノーマルステアリングを取り外します。
取り外しは特に難しくはなく、センターナットを外し、エアバック&ホーン、クルーズコントロールの配線がまとまった
ケーブルリールカプラーを外せばステアリングは外せます。
通常のクルマのように テーパースプラインに圧入されている構造ではなく
ストレートスプラインのため ナットを外せば簡単にステアリングは抜けます。
ステアリングを外したら すぐにエアバックユニットにショートカプラーを取り付けます
ショートカプラーはステアリング横のカバーの中に仕込んでありました
静電気等での不用意な誤作動を避けるため 保管中はショートカプラーを常時付けておきます。
ステアリングを外すと車輌側にはこのケーブルリールユニットが残ります。
ホーンだけなら通常のクルマのようにステアリングの裏面に電極が擦れるタイプでいいのですが
エアバックの信頼性のためでしょう
回転可能な電線のプレートが巻かれたユニットがあります。
Type-Rボスは通常の電極ブラシがボス裏面を擦れるタイプなので
ケーブルリールを取り外します。
外してしまえば普通の構造になっているので
ここにホーン用のコンタクトプレートを取り付けます。
当然市販品はないので製作します。
取り外したケーブルリール。
ホーン配線、クルーズコントロール配線、エアバック配線がまとまっていて
車輌側とステアリング側を電気的に繋ぐ回転可能なユニット。
これは作ったコンタクトプレート
1oのステンレス板から切り出しました。
コンタクトプレート取り付け。
これがType-S純正ステアリングボス
右側の結晶塗装された部分はアルミ鋳造で 左側は板金部品にゴム製のブーツがかぶせてある。
衝撃が加わったとき この板金部分が潰れてドライバーへの衝撃を緩和する構造。
写真では見えないけれど 左側ステアリング取り付け面には MOMOの刻印があり
Type-RやType-Sの純正ステアリングに対応するように
取り付けネジ穴が3カ所追加工されている。
(普通のステアリングはネジ6本だけど純正ステアリングは9本で取り付けられている。)
摺動面にグリスを塗って
仮組みしてみて コンタクトプレート接点が
問題無い位置に接触している事を確認しておく。
車輌にボスを取り付けた状態
ブーツが付いてない状態なので 衝撃吸収構造がわかる。
取り付けはセンターナット一つ。スプライン、ステアリングセンターもピッタリ。
内装を元通り組み立てて
ボスにブーツをかぶせ ステアリングを取り付ける
見た目もさることながら 回転するステアリングの重量がすごく軽くなったのが分かって気分がいい。