クラッチ交換 OSツインプレート

NSXのクラッチは ノーマルで小径のツインプレートを採用していて、
必要充分な伝達力と軽い操作力 なにより切れの良さを備えたすごく優秀なユニットです。
しかし、ミッドシップのトラクションの掛かりの良さから
ライトチューンして300ps近辺出た場合 シフトアップ全開の瞬間 滑りを感じてきます。
KSPオリジナルで純正ディスクと同寸法のメタルディスクがありますが
今回は新作のOSツインプレートクラッチを組んでみました。
これは 最近開発されたセンターハブタイプのクラッチで
メインドライブシャフトにスプライン付きのハブを組んで
そのハブにクラッチディスクを組み合わせて使います
純正の構造に対して クラッチカバー&フライホイルなどのトータル重量が軽く、
レスポンスの点で非常に優れています。
構造上 クラッチが切れたときにディスクが遊ぶ シャラシャラ音が発生し、
NSXでこの音がしている車輌は少なく わかる人にはわかる格好良さです。
(でも、知らない人からはなにか変な音がする・・・ と言われる)

クラッチの操作性は試作レリーズフォークを組んでから非常に良くなり、
半クラッチも使いやすく、ペダル踏力はノーマルの1.5倍くらい。
重いことは重いが、動作に渋さが無く純粋にバネ反力が強いので、渋滞路もそれほど辛くはありません
メリットとしては、とにかくレスポンスが良くなり、
シフトダウンするとき、クラッチを切ってアクセルを叩いたとき
ノーマルはウォン だけど、ワンッ!に変わります。
これはノーマル+軽量フライホイルに比べても明らかにレスポンスは上です。
さらに、メタルディスクであるため繋がりに節度があり
半クラッチ範囲はノーマルの1/3くらいだけど、常に滑りながら繋がるようなノーマルに対して
確実に繋がっている硬いミート感が特徴です。
装着後は、滑らかに走らせるために シフトアップの際
常にエンジン回転がミッションよりも上の状態でミートすることを要求してきます
フライホイルが軽いことと相まって、エンジン回転が上り調子の時にクラッチミートしないと
ストールしやすくなります。

この記録はまず OSツインクラッチの組み込みと 1週間後レリーズフォーク交換の作業と
その後筑波で3速を壊したため、Type-R仕様に変更したミッションに載せ変えた作業を一度に記録しています
なぜ、レリーズフォークを交換したかというと
ペダル踏力があまりにも重く、OSに相談したところ延長加工したフォークをテストして欲しいとのことで
1週間後再度ミッションを降ろしてレリーズフォークを交換したためです。
現在の商品は この延長されたレリーズフォークが付属されています。
当然溶接加工ではなく、一体鍛造品で見えない部品だけど非常に質感の高い部品になっています。

作業写真を記録しますが 写真が多いためページが重いことをご了承ください。

 

まず ミッションを降ろします
NSXのミッションは当然リアにあるため作業はリアハッチを開けて車輌の上下から作業する。
エアクリーナボックス周辺をバラしてミッションとエンジンを固定しているボルト類を全て外す。



降ろす写真はハショリますが 降りたミッションに
OSツイン用の専用レリーズシリンダーを組み込んだ状態。
NSXのノーマルは操作力の軽いプルタイプ
対して OSは圧着力の高いクラッチカバーに対応するべく 通常のプッシュ式レリーズ。
従って 作動変換が必要で これが専用キットになる
本来 シリンダーが押す構造を 引く方向に作動変換している。



レリーズベアリングもレリーズフォークも専用品
当然フォークの支点も違う。



ちなみに 下がOSの試作品 延長レリーズフォーク
これを組むと 踏力はかなり軽くなる。



これは取り外した ノーマルクラッチ&フライホイルASSY
NSXはフライホイルを軽量化しても、このクラッチカバーやセンタープレートが重いので
トータル回転重量はあまり軽くできない。
その点OSツインは構造そのものが軽く、レスポンスは劇的に良くなる。
ちなみに、このクラッチは筑波サーキットで滑ったのですが
走行約2万キロ 全く問題ない減り方で8部山と言ったところでした。



これはOSツインのフライホイル
一度サーキットを走った後の写真なのでディスクの当たった跡がきれいに付いている。



これもしばらく使った後のディスク&カバー類
左から3番目のディスクにハマっているのがセンターハブ。
メインドライブシャフト、ハブ、ディスクは各スプラインで動力伝達される。



フライホイルにディスク類をセットする



そしてクラッチカバーを取り付けてセンターを出して
フライホイルとカバーを多数のM6ボルトで取り付ける。



ミッション、クラッチとも個別の作業が終わったら
ミッションをエンジンに取り付ける。



これは専用レリーズの車載での取り付け状態
この状態で レリーズベアリングとカバーの隙間調整を行う。



分解したアーム類 ドライブシャフト等を組み立てる



NSXの右ドライブシャフトは2分割
バラすのはちょっとめんどうだけど 組むのは簡単。



このときは足回り変更のため車高調をHKSに送っていたため ノーマルサスショックだった。
ノーマルはショックが長く、アーム組み立てが大変。
その点 ショート化された社外車高調はかなり組み立てが楽。



と言うわけで 作業終了
夜 本業が終わって PM9頃からはじめたので 終わったのは深夜だ。