NA1のアイドリング制御は
スロットルバルブ全閉で 別ポートからサージタンクにエアを流し、
各シリンダーに分配してアイドリングさせていて、
ポートに設けられたエアバルブをメインコンピュータで開閉する事で
通過空気量を調整し 目標アイドリング回転数になるように制御している。
今日のほとんどのインジェクション車輌が採用している方式で、
エンジンやスロットルに経年変化があっても
エアバルブの開閉量を変えることでアイドリングを自動的に安定させるので
通常はほとんどメンテナンスフリーになります。
しかし、実際にはヘッドからのオイルミストを含んだブローバイガスが流れるため
バルブの動きが悪くなり アイドリングが不安定になるケースが多いです。
また、全閉状態のアクセルを開ける際
最初の一踏みが妙に引っかかるように重いこともあります。
これは、全閉されているスロットルバルブに 汚れが付着してスロットルが貼り付くためで、
両方とも洗浄することでほとんど解消することが出来ます。
使うのは アルコール系のパーツクリーナーだけです。
キャブレタークリーナーの方が良いのかもしれませんが
最近のパーツクリーナーはアルコール系で良く燃えるため
エンジンを回しながら吹き込んでも問題ないようです。
また、パーツクリーナーの方がキャブレタークリーナーよりも溶剤的に弱いので
プラスチックやゴムに影響が少ない気がする。
KSPで使っているのは WAKOSの物です。
本当は スロットルとアイドルコントロールバルブを車輌から取り外して
分解洗浄した方が良いのでしょうけれど
どうせまた汚れてくるので
私はこの方法で洗浄してしまいます。
作業前
まずは エアクリーナーボックスを取り外す。
スロットル直前のゴムジャバラも外してスロットルが見えるようにする。
なにやら スロットルの一部が真っ黒に汚れている。
パーツクリーナーとウェスできれいにする。
スロットルを開けながら
全閉時に密着する壁面も洗い流す。
ここが汚れていると バタフライバルブが貼り付くため
アクセルの踏みはじめが引っかかるように重くなる症状が出る。
バタフライは全閉なので
アイドリング時は 左上にあいているポートから空気を
サージタンク側に流している。
流れる空気量はサージタンク側の電磁バルブで調整されて
目標アイドリング回転数に自動調整される。
エンジンをかけて
回転を上げながら ポートにパーツクリーナーを思いっきり吹き込む。
エンジンがカブって回転が落ちてくるけれど
止まらない程度にアクセルとパーツクリーナーの噴射量を加減して
ポートからアイドリング制御バルブの中まで
良く洗い流す。
ところで、正常なNSXのアイドリングは・・・
暖機終了後
セルでエンジン始動した場合
始動直後回転数は1100rpm近辺を維持し、
10秒くらいかけて850prmくらいに下がってきて安定します。
以後 アクセルで回転を上げた場合は
普通に回転は降下して安定します。
そして、エンジン停止して直後に再始動した場合も
1100rpm近辺を維持した後降下して安定するという事になります。
もし、現在アイドリングが妙に低かったり
停車するためクラッチを切った際 一度500rpm近辺まで降下してから
上がって安定する場合や、
アイドリング中 タコメーターではよく分からないけれど
エンジン音が軽く上下して 50〜100rpm位ハンチングするなら
スロットルを洗浄するとほとんどの場合解消します。
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