NSXのエキマニ交換は通常のFRやFFに比べたら難易度が高い。
しかし、NA1純正はあまりにもお粗末なエキマニなので
交換を希望しているオーナーは非常に多い。
エキマニ交換を行って 著しいパワーアップ等は無いのだが
排気音の明らかな変化があり 満足度は非常に高いようだ。
今回は常連のお客さんが 中古で入手してきたDCスポーツのエキマニを取り付けました。
一般にクルマの部品でアメリカ製と言うと ガサツな出来を想像するれど、
DCの製品は非常にクオリティが高く、
市場に出回っているNSX用エキマニとしては最も安価であることからも
お勧めできると思います。
各前後バンク用のエキマニ これに付属品として
O2センサー延長ハーネスが付いている
写真上のリアバンク用で大外のパイプが2度曲げなのは
ベンダーの型を一型で行っているためだろう
しかし、出来は非常に良い。
触媒との接続部
緩衝ジョイントのジャバラは
2重構造で 内側はかなり平坦で強度がありこれもよく考えられている。
作業開始
まずはリアメンバー周辺の分解
補強等を外していく。
シフトコントロールワイヤ−等をミッションから外す。
邪魔なリアメンバーを外した状態
今回フロント側のエンジンマウントは外さなかったけれど
これは外した方が作業性が良かったかも知れない。
これはリアメンバー
当然アルミ製だが、持ってみるとその驚異的な軽さに驚く。
普通のクルマの鉄製は両手で抱えるレベルだけど、
これは指2本でつまんで持ち運べる。
フロントバンクのO2センサーを外す
これは専用工具が必要
焼けているのでかなり固い。
遮熱板を外して、エキマニを取り外す。
続いてリアバンクの作業
まず補強部品を取り外す。
フロントと同じくO2センサーを外す
今回 リア側がかなり焼き付いていたため
普通に工具で回しただけではは外れなかった。
エキマニを酸素アセチレンバーナーでアブって加熱して取り外し。
外した純正エキマニその他。
やっぱり純正エキマニは悲しいカタチをしている。
特にリアバンク用(写真上)の構造がちょっとすごい。
排気の流れに他のシリンダーからの排気が直角にぶつかって
さらに急カーブをしている。
1気筒あたりの排気量が少ないので
排気抵抗上問題はないのかも知れないけれど
排気がパイプに流れ込むタイミングがずれるので
排気音が等間隔にならず
エキマニ交換した際この点が改善されるのが
オーナーが感じる「音が良くなった!」になるのではないかと思われる。
フロントバンクのエキマニ取り付け
エアコンコンプレッサーと近いパイプにはヒートシールドを巻いた。
DCのエキマニは
パイプ3本がオイルパンとミッションの間に並列に並ぶので
地上高の点で非常に良い
以前使ったスプーンのエキマニは1本下に来るため路面に擦ったことがある。
リアバンク側取り付け
まったく危なげなく取り付け完了。
外した補強&シフトワイヤー等を組み立てて
触媒&マフラーを取り付けて作業完了。
今回中古品だったため
取扱説明書が無かったので詳細は不明だけど
エキマニ交換に伴ってO2センサー位置がエンジンから離れるので
そのままではハーネスが短くて届かなくなる。
そこで、フロント用センサーをリアに使うとハーネスの長さが届く。
フロントバンクにはリア用センサーを使って、
エキマニに付属の延長ハーネスを使うと丁度上手くいった。
延長ハーネスはエンジンの上を通してエキマニまで導いてセンサーと繋いで完了。
作業はエンジンが冷えていて即作業開始できれば
クルマをあずからずに、待っている間に終わらせられるレベル。
ただし、今回も純正触媒ボルト等が熱で痛んでいて
これらの取り外しに非常に苦労した。
エキマニ交換や関連部品取り外しよりも
こういった焼けてしまっているネジの取り外しの方が苦労した気がする。
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