C30A&C32Bエンジンの 吸気系変更によるチューニング考察
NSXに限らず
クルマに手を加えようと思った時
気軽さと見た目の変化から 吸気系の変更を行うことは多いと思いますが
NSXの吸気系は実に思慮深くできているため
安易な変更は性能ダウンを招くため要注意。
ここでは KSPで多数行ってきた検証事例と共に
有効なチューニングデータを紹介しようと思います。
エアクリーナの交換
ルックスや吸気音などを除き
性能面で考えると
ノーマルのエアクリーナボックスは実に優秀。
KSPでのエンジンチューニングセッティングデータでは
ノーマルエアクリーナボックス&吸気レイアウトのまま
330馬力程度までは対応できています。
これを超えた出量を求める場合には
ノーマルのボックス及び吸気ダクトが抵抗として問題になるため
エアクリーナフル交換などの対処が必要となってきます。
ノーマルの吸気経路は
スロットルからエアクリーナボックスを経て
左リアフェンダー内部のダクトから吸気していますが
サイドダクトの上部から空気を吸うようにレイアウトされています。
これは
走行中ダクトに入り込んでくる雨や 前輪の巻き上げた砂などを
エアクリーナボックスへ入れないための配慮でしょう。
従って
サイドダクトから直接エアクリーナボックスへ
空気を導くようなレイアウトに変更するなら
エアクリーナエレメントの汚れと雨天走行時の水の浸入に注意した方が良いでしょう。
ただし、エンジンがノーマルである限り
吸気系の変更はパワーの点でメリットはありません。
330馬力未満のストリートチューンNSXで
エアクリーナ交換を行うなら 目詰まりする前に純正エレメントを定期交換するか
純正形状のノーマル交換タイプのエレメントなどを使って
定期的に洗浄して使うのが好適だと思います。
上記でノーマルボックスが330馬力近辺まで対応と述べたのは
この近辺を越えてくると吸気量がボトルネックになってくると言う事で
これ以上出ない分けではありません。
実際 吸気音が大きくなるのを嫌って
エンジンはチューンドC32B換装しても吸気系ノーマルの事例は多数有り、
330馬力オーバーの事例もあります。
これらのNSXは エアクリーナ交換でピークパワーがさらに向上する余地がありますが、
吸気制限によるパワーダウンは最高回転付近のみでの話だから
通常走行に影響はほとんど無いため
快適性とエンジンルームの自然なレイアウトを取ることで、
あえてピークパワーを犠牲にしているオーナーもいます。
最高回転付近でのピークパワーを連続して使える場所は限定されるため
使えない馬力はいらない と言う考えも有りというわけです。
当然ながら エアクリーナ差程度の吸気制限による中間域のパワーダウンはありません。
スロットル口径と出力の関係
チューニング業界ではエアクリーナ交換と共に
スロットルの口径を大きくする吸気系チューニングがありますが
この有効性と実際に関して。
NSXのノーマルスロットル口径は64ミリです。
やや小さく感じますが
当時の自主規制280馬力を出すために必要十分な口径だったと思われます。
エンジン自体も280馬力目標で作られているため
実車をダイナモで計測して ほぼ280馬力近辺をマークするので
スロットル口径とエンジンのバランスは良好と思われます。
では、このスロットル口径を大きくした時
更なるパワーアップは望めるのか?
エンジンの要求空気量が64ミリスロットル通気空気量よりも多いなら
セッティング次第でパワーアップが望めます。
スロットルの拡大に関しては
純正の64ミリを拡大加工して66ミリのバタフライバルブを入れて
通気面積を大きくする方法があり、
64から66に拡大することで 通気面積は6%ほど大きくなります。
(33×33)π÷(32×32)π=1.063
これをエンジンに取り付けて検証してみると
ノーマルのC30Aでは最高出力の向上は得られず
C32Bでは10馬力程度の出力アップを得られました。
(もちろん V・Proで点火時期と燃料セッティングを追い込んでの比較)
この結果から分かるのは
ノーマル口径64ミリのスロットルは
ノーマルのC30Aに対しては十分な口径を有していると言うことです。
(ここで言うノーマルとは 排気系変更程度は含みます)
ただし、排気量が6%大きくなったC32Bに対しては
リニアに10馬力程度の出力アップが得られることから
エンジンの吸気量次第ではスロットル口径の拡大は有効なチューニングと言えます。
ちなみにスロットルの口径とインテークマニホールドの口径は共に64なので
拡大加工スロットルを組む際には
インテークマニホールド側もスロットル口径に合わせて拡大する必要があります。
こちらは スロットルと違って真円が重要ではないため
右写真のように1台ごとに手作業で広げています。
これまでの検証データによると
ノーマルの64ミリスロットル口径で対応できるのはおよそ320馬力近辺までで
ノーマルC32B+排気系チュ−ン相当のパワーまでが適正値で
これを越えてくると
スロットル通気量がボトルネックになって来るようです。
エンジンに手を加えていないC30Aではここまでの出力に届かないため
スロットル変更によるパワーアップは見込めず
C32B及びカム交換程度のC30Aからはスロットル拡大の効果が出てきます。
当然ながら
スロットル拡大に伴い アクセル開度に対して通気量が増えるため
これに対し燃料補正は必須となり
メインコンピュータ書き換えやV・Proによる制御変更が必要となります。
ここで
スロットル拡大加工の口径を2ミリアップの66ミリとしたのは
ノーマルスロットルの肉厚によるもので
これ以上の拡大加工では スロットル内壁が破れて
バタフライバルブのシャフトを支持しているベアリングが見えてしまうため
安全を取って2ミリ拡大をリミットとしました。
後に
この2ミリ拡大が実は非常に良いところだったのが検証証明されていきますが
スロットルは
目標出力に対して必要最小径が理想だと思います。
エンジンの要求吸気量を超えたスロットル口径があっても
当然ながら吸気は入っていきません。
必要最小径のスロットルを使うことで
アクセル開度に対してリニアに出力が変化し
90%開度と100%開度で明確な出力差が得られるわけです。
スロットルはエンジンの出力調整機構
目標出力を的確に制御するためには
ペダル操作に対してあくまでリニアに出力が変化してくれるのが理想となります。
エンジンの要求吸気量を超えた無用な大口径スロットルを付けてしまうと
アクセルを踏み始めた時に唐突にパワーが出てしまい
アクセル開度が大きくなるに従って出力変化が無くなり、
高回転高負荷領域でのパワーコントロールが難しくなるだけで
速さは変わらず 扱いにくいだけのエンジン性格となってしまう事が懸念されます。
実際のエンジンチューンに対するスロットル拡大の効果
これまで
多数のNSXチューン事例から
スロットル口径拡大を伴う検証データを紹介します。
上記で
チューンドエンジンに対するスロットル拡大の効果を述べましたが
さらに大きなスロットル面積ではどうなのか?
と言う事でKSPでのテスト事例を紹介します。
ハイカム仕様C30A 及びハイコンプハイカム仕様C30Aでは2ミリ拡大スロットルの効果はあり、
330馬力+αの出力が得られました。
ここまでだと エアクリーナは純正でも社外でも同等の結果になります。
ハイカム仕様C32Bでは
2ミリ拡大スロットルで340〜350馬力程度の出力になりました。
当然エアクリーナを交換しての現車セッティングです。
では、無理を承知で3ミリ拡大してみたらどうか?
あるいはこれ以上大きなスロットルを使ったらどうなのか?
さらにインテークマニホールドごと交換する6連スロットルはどうなのか?
純正スロットルの拡大に関しては
壁面が破れるのを覚悟で3ミリ拡大してみました。
3ミリ拡大(67ミリ)すると
スロットル面積はノーマル64ミリに対して約10%アップになります
(33.5×33.5)π÷(32×32)π=1.096
壁面が破れて
バタフライバルブのシャフトを支持しているベアリングが見えてきますが
バリを取り除き 動作が問題ないようにして組み立てて
TYIZ号のハイカム仕様C32Bに組んでみましたが
2ミリ拡大に比べて明確な出力差は無く
この時の3ミリ拡大テストでは345馬力程度でした。
お客さんのNSXでは2ミリ拡大で350馬力近辺を出力した事例も多数あるため
ハイカム仕様C32Bでは
2ミリ拡大の66ミリスロットルで必要十分な吸気量があると考えて良いと思います。
さらに吸気面積が大きくなる6連スロットルはと言うと
ハイカム仕様C32Bと組み合わせた事例では
最高出力では期待するほど大きな効果無く
ハイカム仕様C32Bと組み合わせても350馬力近辺が限度でした。
後述しますが
マニホールドごと交換する6連スロットルでは
純正のインテークマニホールドに仕込まれた
共鳴過給機構を失うため中低速トルクダウンが著しく
ピークパワーは同等でも 実用域での大きなパワ−ダウンを伴います。
2009年現在 KSPでのエンジンチューンでは
ピストン交換のハイコンプ+ハイカム仕様C32Bが最も高出力を出しています。
吸気系はノーマル2ミリ拡大の66ミリで エアクリーナは交換。
これで360〜365馬力をマークしています。
インテークマニホールドは手作業で拡大し、チャンバー切り替え機構は生かしているため
ほぼ全域でノーマルを上回るトルクを維持し、高回転域ではノーマル比で70馬力以上を安定して出力しています。
では、ここまで出ているエンジンではスロットル口径はどの程度がベストなのか?
最高出力変化の検証テストだから
ノーマルを拡大したりするよりも一気に大口径なインフィニティスロットルを付けてみました。
ノーマルのインテークマニホールドは
スロットル取り付け部の口径が64ミリで、拡大したところで70ミリ程度が限度だから
そのままインフィニティスロットルを取り付けたところで通気量が増えないので
マニホールドのスロットル取り付け部を切断し
φ90のアルミパイプを溶接して通気面積を確保しスロットル取り付けフランジを溶接して完成。
スロットルの向こうに見える小さなエアクリーナはアイドリングエア用。
スロットルを交換すると
アイドリング時にエアを吸気するポートが無くなるため パイプを溶接してアイドルエアポートを別設。
この構造なら
スロットルからのエアは無理なくインテークマニホールドへ入るから
エンジンの吸気がこの口径を求めているならパワーアップに繋がるはず。
スロットル交換後
シャーシダイナモに載せてV・Proのセッティングを行いつつベストを出して
ノーマル拡大66ミリスロットルと比較してみると
これが、全くと言っていいくらい変化無し。
赤のラインがノーマル拡大スロットルで緑のラインがインフィニティスロットル
若干ノーマルスロットル拡大の方がパワーが出ているけれど、
気温気圧が異なる日に計測しているので 誤差の範囲と思われます。
今回のテスト車輌は C32B改 ハイコンプハイカム仕様 V・Pro制御
およそ 365PS/7500rpm
ここまでパワーが出ているC32Bでも スロットル口径ノーマル拡大66ミリで足りているという結果になりました。
このスペックのエンジン仕様でも66ミリで足りるなら
当然ながら ここまでパワーの出ないエンジン仕様では
出力を求めてのスロットル交換は無意味で
過大な口径のスロットルは 扱いにくさだけが目立つ結果になるのは明確となります。
このNSXはスロットル変更のメリットが無いと判断されたため
テストの後
潔くノーマルスロットル改66仕様へ戻しました。
これまでのKSPにおけるチューニングデータでは
66ミリ以上の口径を必要とするエンジンは検証したことがありませんが
更なる排気量アップ 3.5リッターや
高回転でさらに効率の良いカムシャフトなどを組み合わせた場合には
吸気系の大幅変更が必要になってくると思います。
結論として
ノーマルエンジンはもとより
360馬力程度のチューンドC32Bまではインフィニティなどの大口径スロットルは
出力向上を目的とするなら無意味。
スロットル面積がより大きく必要となるのは
排気量増大による吸入空気量の増加
あるいはエンジンチューンによる最高出力発生回転数の上昇など。
同一排気量であっても
回転数が倍になれば吸気量が比例して増加するのは容易に想像できると思います。
大口径スロットルのメリットがあるのは
エンジンの要求吸気量が大口径を必要としている場合であり、
その効果が発揮されるのは、
ノーマルスロットル口径では吸気量不足で出力が限度となる回転数よりも
高い回転域においてのみとなります。
これは 左リアのホイルハウスで
インナーフェンダーを外した状態。
外気は☆印面の向こう側からエアクリーナボックスへ吸入される。
サイドダクトから入ってきた雨水や砂利など比重の大きな物は
インナーフェンダーに当たってホイルハウスを巡り
リアバンパー方面へ流れていく構造。
エアクリーナが吸うのは ダクトから入ってきた外気の「上澄み」になる。
水や砂など異物を吸わないため 実に考慮された構造。
吸気ダクトはリアフェンダー内を後方へ向かって
チャンバーが仕込んでありますが
これはアクセル急開時の吸気音低減のためらしいです。
これはKSPで試作したNSX用エアクリーナで
現在は同形状の製品を販売中。
エンジンチューンが進み、パワーが上昇してくれば
ノーマルボックスでの吸気量不足が深刻化してくるため
対処としてはノーマルのダクトを使わない
吸気抵抗が少ないレイアウトが必要になってくる。
当初、エンジンルームの熱を吸うことを懸念したんだけど、
NSXのエンジンルームにはFR車のようにラジエターが無く
走行中はリアハッチ上面を流れた外気が大量にエンジンルームに入るので
実はエンジンルーム温度は非常に低く
これを吸気しても熱ダレなどの点でデメリットが無いと分かったため
パワーを望むなら「むき出しエアクリーナが必須」と判断して製作。
スロットルとエアクリーナエレメント間は純正のゴムジャバラではなく
アルミパイプで直結し、エレメントはスロットルに支持させる構造のため
吸気抵抗は極限まで低く、シンプルで整備性の良好なエアクリーナが出来ました。
これはエンジンルームの温度が非常に低く抑えられている
元々のレイアウトの良さ故に出来た方法です。
この車輌ではオイルキャッチタンクが付けてあるけれど
ノーマル黒ヘッドに使うなら
パイプを回転させてブローバイ流入口を後方に向ければOK。
チューンドエンジンでダッシュポッドは不要なので取り外してある。
(ダッシュポッドはスロットル急閉の際に
吸気が無くなり一時的に排気ガス中のCo、HCが増加するのを防ぐため
スロットルの閉じを密閉寸前で遅くする機構だけど
外しても走行上何ら不具合はでないので
チューンドでは不要なモノは付けない。)
これがノーマルNSXの吸気レイアウト。
左リアフェンダー内部からエアクリーナボックスを経由して
スロットルに吸気される
シンプルで効率の良いレイアウト。
ボックスとスロットルを繋ぐゴムのジャバラには
ブローバイガスの流入口と
ダッシュポッドのエアホースが取り付けられている。
NSXのインテークマニホールドは一見吸気抵抗が大きそうだけど
実に良くできていて
共鳴過給効果を狙ったチャンバー切り替え機構を仕込んであり、
これによって5000rpm以下での大幅なトルクアップと
切り替え後の高回転パワーを両立しています。
共鳴過給とは
多気筒エンジンにおいて吸気バルブが開閉する際
閉じたバルブに向かっていた吸気の流れが行き場を失って反転し
吸気バルブの開いたシリンダーへ流れ込むように仕組むことで
自然吸気エンジンでありながら
あたかも過給したときのように吸入吸気量を増大させる機構であり
NSXの場合はこのシステムによって大幅な中間トルクを得ています。
マニホールドの交換や6連スロットルへの変更など
この共鳴過給機構を失うことは
実用回転域で大幅なトルクダウンを伴うため
5000rpm以下のパワーダウンを理解した上で
それでもルックスや空吹かしのレスポンスを得たい場合を除き
吸気レイアウトの大幅変更は殆どの場合デメリットが目立つ結果になります。
パンチの効いた低中回転域の太いトルクは
NSXの大きな美点だと思います。
これを失いたくなかったら
インテークマニホールドのチャンバー切り替え機構は外してはいけない。
以下は販売開始当時のNSX技術紹介から抜粋
簡単に共鳴過給に関して簡単に触れているけれど、
最高出力を上げるVTEC機構に隠れて
このシステムの絶大な効果と構造の素晴らしさが広く知られていないのは実に残念なことだと思う。
これは
上記のチューンドC32Bでインフィニティスロットル実験を行った際に
同時にテストした共鳴過給を削除したテストとグラフの比較
水色のラインが共鳴過給無しのパワーカーブ。
方法は
インテークマニホールドに仕込まれているバタフライバルブを取り外し
フライスで削り取って四角い枠に加工して組み立ててみました。
その計測結果が上のグラフです。
4500rpmでの出力を比較すると
ノーマルスロットル改+共鳴過給有りでは219馬力
共鳴過給を削除したところ195馬力へダウン。
その差約24馬力。
これが共鳴過給の効果です。
5000rpmを超えてくるとその差はなくなってくることから
5000rpm以下の実用域において
いかにこのシステムが有効であるか分かるかと思います。
6連スロットルとノーマル吸気系
こちらのグラフは
ハイカム仕様C32Bの「かんたろう号」で
6連スロットルからノーマルインテークマニホールドに戻した際
パワー特性はどう変化するか比較した物。
6連スロットル仕様で長くNSXに乗っていたオーナーですが
吸気系レイアウトを大幅変更する6連スロットルでは
共鳴過給機構を根こそぎ取り外すから
通常走行時のエンジントルクは大きくダウンします。
パンチの効いた中低速パワーを取り戻すために
吸気系をノーマルに戻しました。
6連スロットルでセッティング&計測してから数年後
中間域のトルクを求めて
ノーマル拡大66ミリスロットル+純正インテークマニホールドへ戻したわけですが
やはり、純正マニホールドと共鳴過給気功の効果は大きく 中間域のパワーは大きく向上。
4500rpmでの出力を比較してみると その差約18馬力。
ダイナモでの計測は
アクセル全開で回転上昇していく経過を計測するため
ハーフアクセルからアクセルを急に開けたときなど
この計測データ以上に体感ではパンチが違います。
ノーマルに戻すことでここまでトルクが太くなるのか・・
失っていた物はあまりに大きかった。
というのがオーナーのインプレッションでした。
両グラフの計測では
エンジンの経年変化や計測時の車輌条件が変わっているため
厳密な正確さには疑問が残りますが、
ピークパワーでは6連スロットルの方が最高回転付近ではダレずに一伸びしますが
この車輌に関しては
7500〜8000rpm間の500rpm程度でパワー向上のメリットと引き替えに
通常走行時に重要な3000〜4500rpm近辺での出力は20馬力近いダウン。
空吹かしでの素晴らしいレスポンスとルックスの変化を得る代わりに
共鳴過給を失うことによる実用域での大幅なパワーダウン
これが6連スロットルの現実です。
ただし、これもエンジンの要求吸気量次第。
この車輌はハイカム仕様C32Bで 約350馬力でしたが
更なる高出力を狙ったハイチューンエンジンでは
当然ながらノーマルの吸気系では対応できなくなることが容易に想像できるため
その時にこそ
吸気系の大幅変更によるチューニングが有効性を持ってくることが想像できます。
以上
当社における検証データを紹介しました。
NSXはノーマルで非常に良くできたシステムの集合体になっています。
バランスを崩さずこれを上回るのは
明確な検証データとレベルの高いチューニングが必要になります。
興味本位で吸気系に手を加えたために
大幅に調子を崩して悩んでいるオーナーはたくさんいます
上記の検証データを出来る限り理解し
多くのNSXオーナーがチューニングを楽しめる事を願います。
NSXの部屋に戻る
インテークマニホールドの共鳴過給
これは組み立て状態のC30Aインテークマニホールド
右の黒いインシュレーターにスロットルが付く
分解したインテークマニホールド
右上の部品がバタフライバルブが仕込まれた切り替え機構
このバルブを開閉することで 実用域でのトルクを稼いでいる。